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お酒の後のシメ

[2019.12.04]

こんにちは。管理栄養士の福谷です。

忘年会シーズンがやってきました。新しい年を迎えると次は新年会のシーズン。年末年始とお酒を飲む機会がぐっと増えます。そしてお酒を飲んだ後のシメ。ラーメンやうどん、お茶漬け、スイーツ…。普段でも美味しいですが、お酒の後は格別に美味しいですよね。シメを食べるまでに飲んだり食べたりして満腹なはずなのに、食べたくなるし食べれば別腹・・・なぜお酒の後はシメを食べたくなるのでしょう。 

・・・それは生理的なメカニズムが関係しています。お酒を飲んで酔う理由はアルコールだということは皆さんご存知ですね。適量のお酒であれば、血行を促進したり、気分をリラックスさせたりしますし、円滑なコミュニケーションにも役立ちます。忘年会や新年会、お祝い事にはお酒は欠かせないものになっています。

しかし、アルコールは体にとっては毒物になります。そのため体は体内に入ってきたアルコールを分解して無毒化しようとします。無毒化するのは肝臓の役割です。肝臓はアルコールを無毒化する際に大量のブドウ糖を使うので、血中の血糖値が下がります。血糖値が下がると普段の状態なら肝臓は貯蔵しているグリコーゲンという物質からブドウ糖を作り出し不足分を補いますが、アルコールを摂取している状態だと、肝臓は無毒化しようと必死になっているのでブドウ糖を作り出せません。そこで、下がった血糖値を上げるために脳から「何か食べて!特に糖質系!」と指令が出ます。そのような指令が出るので糖質の多いご飯ものや麺類、スイーツが欲しくなるのです。

飲んでいるときはお料理やおつまみなどを食べているのでそのうち血糖も上がっていくのですが、脳は体にとって毒物であるアルコールを何としてでも無毒化したいのでそんなことはお構いなしに「どんどん食べて!」と指令を出します。それで飲んで食べて満腹のはずなのに、ついついシメを食べてしまうのです。さらにアルコールは食欲を支配している神経細胞に刺激を与える物質を活性化させてしまうため、食欲がさらに増してしまいます。脳も神経も制御不能状態です。

このように、アルコールやお料理、おつまみを食べた上にシメのメニューを食べ、過剰摂取したエネルギーは脂肪として身体に蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因につながっていきます。しかも、翌日は二日酔いや、胃もたれ、食欲不振やむくみなど体調不良になり後悔することに…

健康のために、お酒の量ももちろんですがシメの食べ物、グッと我慢しましょう。どうしても欲しくなったら温かいお茶や低カロリーの野菜ジュースなどでまぎらわせましょう。仕切り直してファミレスやカフェでお茶しながらおしゃべりの続きをするのも楽しいと思いますし、早めに帰宅して家族と談話したり、好きな事をして過ごしたりして、お酒の余韻を楽しみながら体と気持ちをリセットするのも良いかと思いますよ。

 

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