高血圧症治療薬(第2回)
前回は高血圧治療薬の種類についてお話ししました。今回からは、それぞれの薬の特徴について少し詳しくお話ししたいと思います。
まずはカルシウム拮抗薬(注1)です。この薬、血圧を下げる力が最強クラスかつ安全性も良好、さらに値段も安いと言うことなしで大変よく使われています。薬の名前を挙げると、アムロジピン(アムロジン、ノルバスク)、アダラート、アテレック、コニール等かなりたくさんの種類があります。多分多くの方が聞いたり内服されたりした事があるのではないでしょうか。
カルシウムといえば、骨や歯を思い浮かべると思いますが、ほかに筋肉を動かすというとても重要な役割があります。血管の周りには小さい筋肉が引っ付いており、血管内の広さをコントロールします。カルシウム拮抗薬はこの筋肉の働きを弱めて、血管を広げ血圧を下げてくれます。(かなり大雑把ですが、筋肉をリラックスさせて血管もリラックスというところでしょうか)
副作用として、血管が広がることにより頭痛、めまい、ふらつき、熱っぽい、顔がほてるといった症状が出る場合があります。そのような症状が続くときは車の運転等は避け、早めに担当医にご相談ください。
もう一つの注意点は、グレープフルーツ(ジュースも含む)によって血圧を下げる効果が強くなるものがあります。グレープフルーツの作用は薬によって差はありますが、24時間以上続く場合が多いので薬の服用期間中は摂取をなるべく控えましょう。
(注1)拮抗薬(きっこうやく):薬ではよく拮抗薬という言葉が最後につきます。これは作用を無くす、弱めるという意味で、カルシウム拮抗薬であればカルシウムの働きを弱めるという意味です。他に〇〇阻害薬や△△ブロッカー、抗・・・薬も同様の意味で使われます。その反対語は、刺激薬になります。