高血圧症治療薬(第1回)
気温が上がってきており、血圧は冬場より落ちてきている方が多いのではないでしょうか?今回から高血圧症治療に使われる薬(降圧薬)について何回かに分けてお話ししていきたいと思います。
いきなり本題に入る前に少し生活習慣について。高血圧症は生活習慣病の一つであり、生活習慣を改善することで血圧を下げることができます。生活習慣のポイントは、肥満、塩分のとり過ぎ、運動不足、喫煙の改善です。食生活、運動習慣へのアプローチのため想像以上に大変ですが、この部分を変えることができれば、血圧は10~20㎜Hgくらい簡単に下がりますので侮れません(内服薬1錠減らすことができます)。
生活習慣の改善だけで血圧が下がらない場合や、初診時の血圧が160㎜Hg以上あるときは降圧薬を使用して血圧を下げます。
薬物療法に用いられる降圧薬を種類分けすると、一般的には
1、カルシウム拮抗薬
2、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB:エーアルビー)
3、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬:エースもしくはエーシーイー阻害薬)
4、利尿薬
5、β遮断薬
の5種類に分類されます。ちょっと名前が難しいですね。この中で通常1~3のいずれかを最初に用います。
降圧薬の働きはさまざまで血圧の高さや検査値をみて、適する降圧薬を選択します。一種類で降圧目標を目指しますが、無理な場合は数種類併用して治療を行います。ただし、何種類もの薬を飲むのは大変ですので、合剤(二、三種類の成分配合)を使用して内服錠数を増やさないようにしています。(合剤のもう一つの隠れたメリットとして、一錠ずつ二種類飲むより費用的にもお得です!)
次回からは各降圧薬についてご説明します。