栄養素のはなし その④ 〜ビタミン〜
こんにちは。管理栄養士の大上です。今回はビタミンのお話です。
ビタミンは、炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素と違い、エネルギーや体を作る栄養素ではありません。しかし、ビタミン(Vitamin)は“生命”を意味する言葉“VITA”が語源であり、まさに生きていく上で欠かすことができない栄養素です。
ビタミンは体内では合成されないか、されても必要十分な量には足りないため、食事から摂る必要があります。微量栄養素とも言われ、体内で必要な量は㎎(ミリグラム)やμg(マイクログラム)と言うごくわずかな量ですが、必要量が満たされないと、特有の欠乏症をおこします。かつてはビタミンB1不足による脚気が見られましたが、栄養状態の向上により典型的なビタミン欠乏症はほとんど見られなくなりました。
しかし、最近では食生活の乱れによるビタミン欠乏症(慢性疲労、口内炎など)が問題となっています。また、微量栄養素に対する関心が高まっており、サプリメントの広まりからビタミンの過剰摂取(ビタミンD過剰による食欲不振、吐気)も問題となりつつあります。
ビタミンはその性質によって大きく2種類にわけることができ一つが水溶性ビタミン、もう一つが脂溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは読んで字のごとく、水に溶ける性質があり、体の中で使われなかった分は尿と一緒に排泄されてしまうので、毎日摂る必要があります。脂溶性ビタミンは油脂やアルコールに溶けやすい性質があり、体に溜まるので、不足の他にも過剰症に注意が必要です。ビタミンは健康な体を保つためにとても重要な栄養素ですので、過不足なくしっかりとっていく必要があります。
次回からはビタミンの種類ごとの特徴についてお話ししたいと思います。